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「何も持たない」  ルカによる福音書9章1~6節

 私たちは、ふだん多くの物に囲まれて生活しています。必要な物も、もちろんありますが、なかにはあってもなくてもいいもの、さらにいらないものまでもが私の周りを取り囲んでいる、そんな気がします。
 しかし少し引いて地球規模で考えてみると、その多くのものは、人間が様々な資源を利用して造り出したものです。ゼロから生み出したものはありません。つまり、もともとあった地球の一部が姿を変えただけ、ということが言えるかも知れません。
 今日の聖書は、弟子たちを派遣するにあたり、イエスさまが言われた言葉を記しています。3つの共観福音書(マタイ、マルコ、ルカ)の中で、一番シンプルに記されています。
 基本は、何も持たない、ということです。しかし注意して見ると、1節には「力と権能」が授けられています。弟子たちは、通常、人間がする旅支度はしていないのですが、イエスさまから「力と権能」を与えられているのです。人間的な必需品はゼロですが、福音を宣べ伝えるために必要なもの、つまり神由来のものは、ちゃんと与えられているのです。
 私たちはたくさんの物を持っている方が安心し、安全で快適な生活が送れると思っていますが、それはそんなに確かなものではありません。
 一番確かなものは、神さまです。そしてイエスさまの言葉です。イエスさまが言われるなら、その言葉に信頼し、従っていく歩みをなしたいと思います。しかし、現実は、なかなかそうは簡単に行きません。いろいろと考える事、配慮すること、等がたくさんあるからです。
 そんな私たちですが、今日の聖書にあるように、神さまの御用をさせていただくときには、人間的なものは、必ずしも必要ではなく、最も必要なのは、それがイエスさまの言葉であるなら、丸腰でも、何も持たない状態でも、せよ、と言われることに従って行く者でありたいと思います。何も持たないように見えても、一人ひとり神さまから賜物を与えられています。その賜物をこそ生かして、主の御用に励んで行く者でありたいと思います。

2020年2月9日 降誕節第7主日礼拝      笹井健匡牧師

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