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「新しい掟」 ヨハネによる福音書13章34~35節

 来週の日曜日はバレンタインデーです。3世紀のローマの司祭がモデルになったと言われています。当時、ローマ皇帝によって兵士の士気が下がるのを防ぐため、兵士の結婚を禁止されたそうです。バレンタインはそれに逆らって、結婚式を執り行ったため、殉教の死をとげました。信仰、そして愛が大事であることを貫いた結果でした。
 キリスト教はその歴史において、もちろん不完全な面は多々ありながらも、主イエスが教えられた愛の教えを実践して来ました。愛に生きた、有名、無名の多くの人々によって、その歴史は紡がれて来ました。それはこれからも変わらないことでしょう。私たちも小さくてもその伝統に連なり歩んで行きたいと思います。
 今日の聖書は何度も取り上げている個所です。今回は35節の方に注目したいと思います。
 13章1節からヨハネの最後の晩餐が始まります。そこでイエスさまは洗足を行われました。弟子たちを愛して、愛し抜かれたその証しとして足を洗われ、そして、弟子たちにも足を洗い合うように、愛し合いなさいと教えられました。相手の前にひざまずき、相手の汚いところをきれいにする、そのようにして相手を愛し、愛し合うのだと教えられたのです。現代にまで、「洗足木曜日」として伝えられいる通りです。そして今日の個所で、遺言のようにして、たった一つの「新しい掟」として、イエスさまが愛されたように、愛し合うべきことを教えられたのです。
 そして最後に、愛し合うならば、周りの人々がイエスさまの弟子だと知るようになると言われました。裏を返せば、愛し合わないならば、イエスさまの弟子ではないということになります。うまくできなくても、きれいにできなくてもいいのです。自分に与えられたものを生かして、それを相手のために少しでも差し出すことができればいいのです。たとえば少しの時間を提供することも立派な愛です。難しく考えて、何もしないより、少々まちがってもいいので、少しでもできることをすればきっと神さまも、イエスさまも喜ばれると思います。そして何より自分の魂が喜ぶと思います。
 コロナ禍で大変な時代ですが、そうした中だからこそ、少しでも自分にできる愛の業を行って行く者でありたいと思います。

                    2021年2月7日 降誕節第7主日 笹井健匡牧師

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