2月6日(月) 天声人語

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20年前の冬、ロシアのナホトカ号が日本海沿岸、特に福井県三国町(現坂井市)の海岸沿岸を船から流れ出た重油が汚した。そのときのボランティアのことが回顧されている。他の災害のボランティアもそうかもしれないが、ボランティアと被災者の間の難しさが書かれている。ボランティアに遠慮をする被災者もいるし、ボランティアが泊まるところがなく自宅を提供した被災者はもてなしのことを考える。また、住民に炊き出しの負担がかかる場合もあるようだ。「支援者の善意と自己満足は紙一重であること、支援者と被災者の思いは時に食い違うこと」がある。支援、ボランティアの難しさを思うが、被災者の状態を第一に考え、被災者に負担を強いないようにしないといけないのだろうな、と思う。また、善意が自己満足になることもよろしくない。私はボランティアをしたことがないので、よくわからないが、どのような場においても、人と人との関係は難しい。しかし、忘れてはならないのは、先述したが、被災者の思いを優先にすること、被災者に気を使わせないこと、などを念頭において、ボランティアはなされるべきなのだろうな、と思わされた。 朝日新聞 大阪本社 岡山版 朝刊 2017年2月6日

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