11月2日(水) 社説

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朝日新聞朝刊 大阪版(岡山) 2016年11月2日 「社説」
明日の日本国憲法発布に伴い、現行憲法の大切さが記されている。特に憲法9条ではなく、99条まるごとを秋葉元広島市長は「原爆の日」の平和宣言で言及したという。そこには「国民」の文字はなく、憲法は、国家権力が勝手な行いをすることを縛り、個人の自由や権利を守るためにあるということが記されている。また、プライバシー、報道の自由、一票の価値、働く場での男女平等、知る権利・・・。これらが社会に定着したこうした考えも、憲法という土台の上に、70年の年月かけて培われたものだ、とも記されている。日本国民は憲法は国民が国家を縛る役割をしていることをもっと知るべきであり、憲法という土台があるからこそ「人権」を大切にする社会形成をなしつつあるということを知らなければならない。自民党草案では、国家が国民を縛るような内容になっており、個よりも公を大事にするようなことも言われている。日本は今の憲法と70年も一緒に歩んできた。もはや、与えられたものではない、私たちの社会に定着し、社会を成熟させようとする土台となっているのが今の「日本国憲法」だ。憲法が改悪されると、個より公を優先する社会になる。自由も規制されるようになる。だから、決して憲法を改悪させてはならない。また、自民党草案についても学び、その内容がいかなるもので、私たちから奪われるものが多々あることを知る者でありたいと思わされた。

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