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「闇の中の光」 イザヤ書8章23b~9章6節

 アドベント・クランツのロウソクに、二番目の灯がともりました。世は暗闇の様相を呈していますが、クリスマスに向かって灯りは大きくなります。闇が深くなればなるほど、その中で灯りは強く輝くのです。

 イエスさまより約700年前に、預言者イザヤは活動しました。イエスさまの時代は、ローマの支配に苦しんでいましたが、イザヤの時代はアッシリアの恐怖が最大の課題でした。アッシリアは、ゼブルン、ナフタリ、つまりガリラヤから侵略を始め、BC722年に都サマリアが陥落、北王国イスラエルは滅亡します。

 南王国ユダの預言者イザヤは、王を叱咤激励し、この世の力ではなく、主なる神、ヤハウェに信頼し、落ち着くように諭しました。そんなイザヤが今日の個所では、後の日には、ガリラヤは栄光を受け、闇の中に光が輝く、と預言したのです。イザヤの念頭には、新しい王、次世代への期待があったのかも知れません。

 マタイはこの聖句(8:23b~9:1)を、イエスさまが宣教を開始された場面に置きました(マタイ4:15~16)。異邦人との混住、異邦文化の混在がすすみ、ヤハウェ信仰が脅かされている、その辺境の異邦人の地ガリラヤからイエスさまは登場されたのです。

 イザヤ書7章で預言されたインマヌエル預言は、この9章で、共におられる新しい王として実現すると預言されました。

 現代も違う意味で闇が深くなっている時代なのかも知れません。しかし闇が深くなればなるほど、希望の光は、その輝きを増すのです。

 アドベントのこの時、昼間の時間が短くなり、夜の時間が長くなって行きます。私たちは、この時こそ、真の、闇の中の光である主イエスをしっかりと見つめて、その光で自らの内にある闇、そして外にある闇をしっかりと照らしながら、祈りを熱くしてクリスマスまでの時を歩んで行きたいと思います。 

 

2023年12月10日 アドベントⅡ(降誕前第3主日)礼拝 笹井健匡牧師


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