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「愛の充電器」 コリント信徒への手紙一12章31節

 今年も平和聖日を迎えました。コロナ禍の中なので、戦後75年、という節目以上に何か大きな意味が、後世になって分かるのかも知れません。
 「E=mc²」という式をご存知でしょうか。あのアインシュタインの特殊相対性理論の有名な式です。そして彼の意に反して、この1907年に発表された式は、その後、広島、長崎に大きな被害を与えることになりました。
 ふとしたきっかけから、彼の娘に宛てた手紙を知りました。と言っても2010年代ごろにスペインの作家が書いた小説の中に出てくるものです。ですからその信憑性は大いに疑問があります。しかし私はその朗読をインターネットで聴くことができ、大変感動しました。ごく簡単に説明しますが、アインシュタインは1955年まで生きました。つまり10年間、広島、長崎のことを想い、苦しんでいたようです。そしてあのにっくき爆弾に代わる「愛の爆弾」をつくりたいと思って来たが、果たすことができず、間もなく人生を閉じるにあたって、おそらく会ったことがない娘リーゼルに1400通もの手紙を託したそうです。そして人々がこの内容を受け入れることができるようになったら、公開してほしいと伝えたそうです。
 内容は、宇宙の最大のエネルギーは「愛」だということ。「愛は光だ。」「愛は引力だ。」「愛は力だ。」そして「愛は神であり、神は愛だ。」と述べています。そして人類を癒し、生存を存続させることができるのは「愛」だけだというのです。しかし、彼はそれを証明できませんでした。ただ「愛の爆弾」はつくれなかったけれども、一人ひとりの人間は、小さな、しかし強力な、「愛の発電機」をもっており、それを作動させてほしいと訴えています。
 今日の聖書は、パウロが「もっと大きな賜物」「最高の道」として「愛」を説いているところです。実は2千年前から、永い永い人類の戦争の歴史の時代にあって、キリスト教は「愛」こそが人類を救うことを、イエスさまから教えられ、失敗しながも、右往左往しながらも、人々に愛を伝えて来ていたのではないかと思います。「愛」に生きる、そういう人たちが一定の割合に達したとき、御国は来たるのかも知れません。
 イエスさまによって示された愛、そして私たち一人ひとりも神さまから言わば「愛の発電機」を与えられている者として、平和を望んで生きて行きたいと思います。
 
      2020年8月2日 平和聖日(聖霊降臨節第10主日)礼拝 笹井健匡牧師

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