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「誕生の場」  ルカによる福音書2章1~7節

 クリスマスおめでとうございます!
 今年は、例年とは違い、静かに、忍耐をもって過ごしたアドベントのときを思い起こします。ここにもきっと神さまの深い意志があることと信じ、そのことを受け入れつつ、今日は、心から主イエスのご降誕を喜びたいと思います。
 今日の聖書の個所は、大変有名で、クリスマスに最も多く取り上げられるところだと思います。特に7節の「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた」なぜなら「宿屋には」「場所」がなかったというのです。ここからイエスさまが馬小屋で誕生された、というクリスマスのメインストーリーが誕生します。そして、馬小屋だったからこそ、羊飼いたちは何の障壁もなく、救い主イエスさまの誕生を目の当たりにすることができたのではないかと思わされます。
 救い主であるイエスさまは、なんと馬小屋で誕生されたのです。しかも飼い葉桶に寝かされたのです。これが私たちが、そして世界の多くの人々が信じている救い主の誕生の場なのです。
 しかし、すこし大きな歴史的視野で見ると、もうひとつ大変重要なことが分かります。それは、2節にあるように、「最初の住民登録」のときに、イエスさまは誕生された、ということです。植民地支配をしていたローマの勅令によって「登録」が義務付けられたのです。イスラエルの民の、言わば「総背番号制」です。ひとつは、税金を厳しく徴収するために、そしてもうひとつは将来兵役を課すためです。イスラエルの民にとっては屈辱的で、いやなものでしたが、従わなければ生きていけない現実がありました。そんな、いよいよ厳しい状況に置かれたイスラエルに、救い主であるイエスさまは誕生されたのです。
 現代も、私たちをとりまく状況は大変憂慮する状況と言えるかも知れません。最初に申し上げましたように、特に今年は、アドベントがまるでレントのように、私は感じていました。「内憂外患」という言葉がありますが、「内患外憂」という言葉がぴったりするような日々でした。しかしそんな状況だからこそ、同じように、いやもっと厳しい状況下でお生まれになった私たちの救い主である、イエスさまの誕生は、本当に心からの喜びであり、何よりの希望の光であります。
 私たちそれぞれの生活の場、働きの場を思いながら、2千年前のイエスさまの誕生の場に思いをいたし、そこからこそ真の救い、喜びを今年もみんなでいただき、主のご降誕を心からお祝いしたいと思います。

2019年12月22日 クリスマス礼拝 笹井健匡牧師

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