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「シメオンとアンナ」 ルカによる福音書2章33~38節

 まだ新しい年が始まったばかりだというのに、世界は不穏な空気に包まれているように思います。しかし、私たちは、私たちのために誕生してくださった救い主であるイエスさまに、しっかりと心を向けて歩んで行きたいと思います。
 今日の聖書は、聖霊に満たされ、信仰厚いシメオンと、女預言者アンナという二人の高齢の信仰者がイエスと出会う場面です。舞台はエルサレム神殿です。
 シメオンは聖霊から、メシアに会うまでは死なないとのお告げを受けていました。聖霊に導かれ、神殿の境内に入って来たとき、ちょうど、いけにえを献げるためにイエスを連れて来たマリアとヨセフに出会いました。そしてこの幼子こそメシアであることを、直前の29~32節で、喜びにあふれ、神をほめたたえて話します。
 今日の聖書の33節には、マリアとヨセフの驚きが記されています。しかし、シメオンはさらに驚くべきことを34節以下で語るのです。しかも、マリアに対して語りました。「反対を受けるしるし」とかマリアも「剣で心を刺し貫かれます」と言います。最初、すばらしい言葉を聴いたかと思うと、すぐそれに続けて大変厳しい言葉を聴いたのです。どんな思いでこのシメオンの言葉を受け止めたのでしょうか。
 続いて、若い時7年の結婚生活を送りましたが、死別し、以降おそらく60年ほども神殿に仕えていた女預言者のアンナが近づいて来ます。
 預言者ヨエル以降、300年以上も預言者が現れない時代をイスラエルの民は過ごしていましたが、それは民全体を導くような「偉大な」預言者のことを言っているのです。このアンナのような預言者、おそらく神殿等にいて、神の言葉を語り、時には個人的な相談等も受けていた、そういう預言者は常に存在していたのではないかと思います。そんな預言者であるアンナが、内容は分かりませんが、幼子イエスのことを、救いを待ち望んでいた人々に語ったのです。はっきりとは分かりませんが、おそらくシメオンの語った内容と、近い内容ではなかったかと思います。
 マリアとヨセフの反応は記されていませんが、おそらく再び驚いたことでしょう。二人の人生の大先輩、偉大な信仰者からイエスについて聴いたのです。
 私たちも、この先どんなことがあろうとも、このイエスさまに救われた者として、神さまを信じ、イエスさまの教えに従って、歩みをすすめて行く者でありたいと思います。

2020年1月12日 降誕節第3主日礼拝 笹井健匡牧師

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