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「実りの秋」 ヨエル書2章21~24節

 残暑お見舞い申し上げます。まだまだ暑い日が続いています。近年は気候が不順になり、季節感がおかしくなっているように思います。

 「風にふるえるオレンジ色の枯葉の舞い散る停車場で、

きみと出会った9月の午後、男と女のめぐり逢い。」

 これは、わたしが中学生の時買った、流行歌の一節です。

 それでも日本は春夏秋冬の四季があり、やはり自然が豊かなところだなあと、

あらためて感謝をします。

 イスラエルは、典型的な地中海性気候で、特に乾期(5月~9月)は、全く雨

が降りません。それが夏であり、短い秋を経て早ければ10月中旬には冬になるそうです。これが雨期ですが、合計700ミリくらいしか雨が降りません。大変厳しい自然環境です。

 日本人の感覚だと、特に稲作の影響で、春に耕し、秋に収穫、と思いますが、イスラエルでは、秋に耕し、春(初夏)に収穫(果物は秋に収穫)という感じです。だから学校も秋から始まり、初夏に終わるのです。

 今日の聖書は、旧約最後の預言者と言われるヨエル書です。ヨエル書は冒頭から「いなごの害」「主の怒り」が記されています。堕落したイスラエルの民に対する神さまの厳しい言葉の後、神は憐みを示されます(2:18)。そして再び豊かな恵みを与えて下さる、と今日の個所で言われるのです。果物の豊かな実り、恵みの雨によって、穀物と、ぶどう酒、油が溢れるようになる、と。

 日本でも、秋は様々な食物の豊かな実りの季節です。厳しい夏を歩み抜いたご褒美と言えるかも知れません。そして同時に、同じく厳しい冬に備える時であるかも知れません。短くなったとはいえ、ほっと一息つける、「実り」を楽しむ、素晴らしい季節であることに変わりはありません。

 人生にも春夏秋冬があるのかも知れません。人によっていろいろですが、人生の秋、それは、それまでの自らの期し方をふり返り、感謝と静かな喜びに満たされながら、やがて神さまのもとに帰る時を、心して待つ時なのかも知れません。

 「実りの秋」のこの季節、自分自身の人生の秋をも意識しながら、神さまの恵みに感謝し、救い主イエスさまに導かれながら、共に信仰の歩みを進めて行く者でありたいと思います。

 

     2022年9月18日 聖霊降臨節第16主日礼拝 笹井健匡牧師


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