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「勇気を出して」 ヨハネによる福音書16章25~33節

 2024年度の信仰目標には、「勇気を出して」という言葉が入っています。今日の聖書の最後のイエスさまの言葉「勇気を出しなさい。」がベースになっています。

 混沌を極める今の世の中にあって、イエスさまから、その言葉から力を与えられて歩んで行きたいと思ってのことです。「勇気」について考えているうちに、あらためていろいろなことを思い出させられました。

 今日の聖書は、最後の晩餐におけるイエスさまの長い言葉、言わば遺言の最後のまとめの言葉です。「これから」弟子たちが経験することを前もって語られたのです。それは怖がらせる為、恐怖を抱かせるためではなく、33節にあるように、平和を得る為、つまり心の平安を得て、安心するためです。

 「勇気を出しなさい」という言葉は、あの湖の上を歩くイエスさまの場面では「安心しなさい」(マルコ6:50)と訳されています。つまりここで言われている「勇気」とは決して「根性」的なものではなく、絶対的な心の安静、落ち着いた静かな力強さを持つ不動の心に近い感じです。何事が起きても、何者によっても揺さぶられない、ぶれない芯の強さのようなものです。

 イエスさまがあらかじめ「これから」のことを語られたのは、事が起こったときに、弟子たちが信じることができるためでした。そうでないと、全くの想定外である、十字架刑でイエスさまが亡くなることは、あまりにも受け入れがたいことだったのだと思います。

 そして今日のこの「勇気を出しなさい」という言葉は、十字架と復活の後の、聖霊によって弟子たちが為していくことになる伝道についても言われているのだと思います。何もしなくても生きることは大変です。ましてイエス・キリストを宣べ伝えることは、ものすごい困難なことだったと思います。だからこそ、落ち着いて、静かに、安心して行いなさいと言われたのだと思います。

 私たちも状況は違いますが、いろいろな困難を抱えて生きている者です。またこの先もどんなことが待ち受けているか想像もできませんが、しかし世のすべてのものに勝利されたイエスさまが私たちの救い主です。その言葉に励まされ、私たちも勇気を出して、この一年も共に歩みを進めて行きたいと思います。

 

    2024年4月28日 復活節第5主日礼拝 笹井健匡牧師


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