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「虹」 創世記9章8~17節

「虹」 創世記9章8~17節
 
 神さまはお造りになった世界を見て「よし」とされました。(創世記1章31節)しかし、次第に人々の中に悪がはびこるようになり、神さまは地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められました。(創世記6章5、6節) そして、人のみならず、被造物すべてを地上からぬぐいさることを決意されます。しかし神さまは神に従う無垢な人であるノアとその家族、そして一つがいの動物たちは救われました。神はノアに対して巨大な箱舟を作ることを命じ、ノアはそれに従い、大洪水で地が覆われても、ノアたちは残されたのです。神さまはその洪水の後、大変後悔され、もう二度とこのようなことはしないと決心され、「残されたノアとその子孫、すべての生き物を二度と滅ぼすことはしない」と決意されたのです。聖書によるならば、私たちは人類全てはノアの子孫です。この洪水後、私たちにもたらされる死や破滅は、神の怒りに根差したものではなくなったのです。
 そして神さまはその契約のしるしとして「虹」を置かれました。英語で言うとrainbowです。rainは「雨」でbowは「弓」を意味する言葉です。ヘブライ語でも「虹」は「弓」を意味する言葉です。神さまが契約のしるしとして虹を置かれたのは、闘いの武器である弓を横に置き、人々に、生きとし生けるものに対して弓を引くことはもう二度としないということを意味しています。神さまは忍耐と恵と憐みをもって人間に対して関わり続けられる決心をされたのです。
 ヨハネによる福音書3章16節には、「神はその独り子を与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の生命を得るためである。」と記されています。神さまは人間の歴史に関わり続け、人間の罪、悪を忍耐され、また人間の苦しみ、悲しみに限りない共感を示され、イエス・キリストという神の独り子を与えられることによって、罪深い人間が救われる道を開かれました。そのイエス・キリストを信じる信仰によって、私たちには、死をもっても滅ぼされない「永遠の生命」が与えられるのです。
 どんな悲しみ、絶望のどん底にあっても、私たちは虹を見ることができます。「虹」を見て、神さまの「永遠の契約」に思いを寄せ、私たちもまた、悲しみや絶望の中から立ち上がり、人に対して、生きとし生きるものに対して、愛おしむ
心を持つことができるのだと思います。殺伐としたこの地上にあって、人々に「虹」を指し示していこうとする者へと変えられていくことができるのです。
 ここにいます一人一人が神さまの「契約のしるし」である「虹」を心に持ち、それぞれの人生の歩みをなしていく者でありたいと思います。

2016年9月18日 聖霊降臨節第19主日 平島禎子牧師

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