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「新しい契約」 エレミヤ書31章31~41節

 アドベント第2主日を迎えました。毎年このアドベントの時期には、主イエスのご降誕を喜び迎えるべく、心の備えをすすめて行きます。イースターもそうですが、私たちクリスチャンは、信仰の大切な節目の時、もう一度、自らの心に目を向けて行きます。心を大事にする、その信仰の在り方の、遠いルーツが今日の聖書にあります。

 エレミヤは、若くして預言者としての召命を受け、エルサレム陥落、バビロン捕囚という大変な時代に人々を導いた人物です。そして私たちクリスチャンにとって最大の事は、「新しい契約」という言葉と、それを心に置いたことです。

 イスラエルの民は、石に刻まれた契約(律法)を神の救いの証しとして、その歴史を歩んで来ました。それは言わば外から迫って来るものでした。しかし結局その契約を守ることはできなかったのです。

 そこで神さまは、今度は新しい契約を結び、そしてそれを胸の中に授け、心に記すと言われたのです。律法が人の内側にあって、その人を内面から動かして行くのです。もはや教える必要もなく、人々は神を知っており、ヤハウェはイスラエルの民の神となり、イスラエルの民はヤハウェの民となるのだと。それゆえ、神さまは完全に罪を赦される、というのです。

 つまり、ここにはインマヌエルが実現し、すべての罪は赦されるという、クリスマスの出来事の前触れのようなことが言われているのです。

 イエスさまの誕生は、イスラエルの歴史の歩みの中でも、一歩ずつ備えられて行ったと言えるのかもしれません。時が満ちるに及んで、エレミヤから5百年以上も経て、ついにイエスさまは真の救い主として誕生されました。

 今を生きるわたしたちも、大変なことを幾多も経験していますが、神さまが、人類の歴史を通して、救いの業を進めて来られたことを信じたいと思います。

 たとえ今がどんなに暗くても、必ずその先に光が射すことを信じて、主イエスの出来事によって、「歴史は救いの過程である」ことを知らされている私たちは前を向いて希望をもって歩んで行きたいと思います。

 一人ひとりの心に記された、新しい契約を信じて。

 

  2021年12月5日 アドベントⅡ(降誕前第3主日)礼拝 笹井健匡牧師


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