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「先立つイエス」 ルカによる福音書19章28~36節

 2023年度がスタートしました。平島禎子師と私にとっては、10年目となりますので、10回目のスタートです。

 今年度は棕梠の主日から始まることになりました。人によっては、受難週から始まるなんて、なんか大変そう、というかも知れません。しかし、受難週の次はイースターです。そう考えると、大変なことがあっても、最後には必ず復活する、だから大丈夫、と言うこともできるのではないでしょうか。

ルカによる福音書では、イエスさまは、エリコのザアカイの家に宿泊されて、「ムナ」のたとえを始め多くの教えをなさった後、エルサレムへと出発されます。他の福音書と同じように、子ロバの話が印象深く記されています。そこからいろいろな豊かな示唆が与えられます。

 しかし今日は、その手前の、エルサレムへと出発される時、に注目したいと思います。その時イエスさまは、「先に立って」進まれたことが28節に記されています。これはマルコによる福音書の3回目の受難予告(マルコ10:32~)からとられています。そこでは弟子たちが驚き、従う者たちが恐れたことが記されています。マタイはこれをきれいにカットしています。しかしルカはこれを、エルサレム直前におきました。何らかの資料があったのかも知れません。

おそらくそれまでの約3年と言われる宣教活動の中で、多くの村々、町々を訪ねて旅をされたとき、イエスさまは先頭に立つことはなかったのだと思います。集団の真ん中にいて、あるいはやや後方にいて、みんなのことを暖かく見守っておられたのではないでしょうか。みんなもイエスさまがちゃんと見てくれていることを感じて、安心して旅を続けることができたのではないでしょうか。しかし、ここぞという時、いざ鎌倉、という時、イエスさまは集団の先頭に立ち、その決意と覚悟、そしてこれから起こる驚くべき、また厳しい状況を知らせられたのではないかと思います。ふだんは優しく、みんなを大きな愛で包んでおられたイエスさまが、いざエルサレムという時、先頭に立ち、脊中で厳しさを、受難の道を示されたのではないかと思います。

 これからどのようなことが待ち受けているのか、私たちには皆目見当もつきませんが、大丈夫です。すべてをご存知の復活の主が先頭に立って、道を切り開いて先に歩んで下さいます。羊が羊飼いについて行くように、わたしたちも先立つイエスに従って、この年度も歩みを進めて行きたいと思います。

 

    2023年4月2日 棕梠の主日礼拝 笹井健匡牧師


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