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「同労者」 フィリピの信徒への手紙4章2~7節

 2節に「エボディアとシンティケ」という二人の女性の名前が出てきます。パウロは公の手紙の中で、この二人に対して、「主において同じ思いを抱きなさい。」と言っています。この二人はフィリピの教会の中で重要な位置を占めていたのだと思います。この二人の不和は、教会にとって、キリスト教伝道にとって、深刻な打撃になるだろうとパウロは考えたのだと思います。3節では、パウロは「真実の協力者」と呼んでいる人物に対して、この二人の女性を助けるようにとの願いを記しています。そしてパウロは、「この二人の女性たちが、過去に、命の書に名を記されているクレメンスや他の協力者たちと力を合わせて、福音のために自分と共に戦ってくれた」ということを述べます。初期の教会では、フィリピの教会もそうであったと思いますが、女性たちも教会の中心的な存在として働いており、男性たちと共に力を合わせて福音のために戦っていたのです。

 教会は福音宣教のために労を同じくする者、「同労者」の集まりです。3節に2回「協力者」という言葉が出てきます。口語訳聖書では、後の方の「協力者」を「同労者」というふうに訳してあります。私は協力する者というよりは、同じ労をとる者というふうに表現する方がいいのではないかと思いました。3節に記されている事柄は、同労の仲間として、今まで支え合って頑張ってきたこと、また問題が起きている今も同労の仲間として、支え合うように、ということではないかと思います。当時のフィリピの教会というのは、信仰を同じくする者が集まっていた共同体であり、その中で人望のある人たち何人かが、リーダー的役割をしていたのであろうと思います。エボディアとシンティケの二人もそのようなリーダーの中に入る人たちであったのだろうと思います。そして、教会に集う一人一人が主にある同労者として、それぞれに与えられた賜物を生かし合っていたのではないかと思います。

 主にあって教会に連なるようになった一人一人が、福音宣教の「同労者」です。イエスさまによって救われた者として、神にのみ信頼する信仰を持ち、主にある姉妹兄弟を同労者として、互いに励まし合い、支え合い、喜びや苦しみを共にしていく、そのような同労者たちの集まる共同体に教会がなれるよう、祈る者でありたいと思います。


  2023年7月23日 聖霊降臨節第9主日 平島禎子牧師


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