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「 創造 」 創世記1章1~5、24~31節

 人間はすべてのものの最後の存在として創造されました。しかも、これまでは言葉で創造の業をなされてきた神でしたが、人間の場合は異なっていました。「神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」と27節に記されています。口語訳聖書と協会訳聖書では、「神のかたちに創造された。」と訳されています。人間は、神のかたちに、創造されたのです。神さまは、人間を創造し、祝福されます。神さまは、ご自分のかたちに創造された人間に、他の被造物にはない権能をお与えになりました。それは、他の被造物を支配すること、治めることです。人間が秩序を持って、他の被造物を治めることを神さまは望んでおられ、そうなるように祝福をされたのです。

 教会の暦は今日から降誕前となりました。クリスマスまでのカウントダウンが始まりました。イエスさまもまた神のかたちとしての人間の姿でこの世に誕生されたことを思います。このイエスさまの在り方というのは、「神と等しくあることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じになりました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死にいたるまで従順」(フィリピ2・6~8)なものでありました。私たち人間は、この地上に現わされた救い主イエスさまのかたちとしても造られているのです。このイエスさまに倣うことによって、神の真のかたちに近づくことができるのではないかと思います。

 神さまは、天地万物を創造され、「極めてよかった」と言われました。今の世界は、その「きわめてよかった」と言われた世界からかけ離れたものとなってしまいました。神のかたちとして造られた人間が罪を犯し、堕落した結果、世界で戦争が起き、悲惨な状態が繰り広げられています。大地、動植物も、人間が正しく治めなかったために、気候変動が起き、温暖化、砂漠化が進み、地震や洪水も人災と言えるものがあるのではないでしょうか。動植物の中には絶滅危惧種もあります。人間が生物の世界を神さまから言われたように支配する、治めているようには思えません。

 人類は人類は真の神に立ち帰り、新しく創造され、新しい人間として、新しい世界を造っていくべきではないかと思います。新しい人間になるということは、「神にかたどって造られた新しい人を身につけ」(エフェソ4・32)ることです。

クリスマスまでのカウントダウンが始まったこの日、神さまが、万物を創造されたことを覚え、その世界が極めてよかったことを心に刻み、イエスさまによって、神のかたちがこの世にもたらされ、そのイエスさまを信じることによって、神さまにかたどって造られた新しい人間になり、この混沌とした世の中にあって、光を掲げることができるよう、祈る者でありたいと思います。


    2023年10月29日 降誕前第9主日 平島禎子牧師



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