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「イエスの弟子」 使徒言行録9章36~43節

 6月30日を迎え、2024年も前半を終了します。能登半島地震から始まった大変な半年ではありましたが、その中でもこうして皆さんと共に今日を迎えられたことを神さまに感謝します。

 今日の聖書は、唯一女性の弟子(弟子という言葉の女性形)という言葉が登場するところです。リダでアイネアを癒したペトロが招かれ、タビタを生き返らせたのです。このタビタが女性の弟子と言われていました。タビタというのは「かもしか」という意味のニックネームでした。かもしかというと、ニホンカモシカを思い起しますが、これはおそらくアフリカ等に生息しているガゼルのことだと思います。鹿の仲間で、細く、大変俊敏な動物です。タビタはおそらくガゼルのように忙しく奉仕の業に走り回っていたのではないかと思います。

 残念ながら、タビタに関して詳しく知ることはできませんが、同じ著者が記したルカによる福音書から、想像をたくましくすることができます。

 イエスの弟子に関して、ルカ福音書では、12人を選び(6:12~)、派遣し(9:1~)、さらに72人を任命して派遣しています(10:1~)。実は、その間に、8章の記述があります。そこには多くの女性たちが12弟子と一緒にイエスさまの宣教に伴っていることが記されています。もしかしたらタビタは生前イエスさまの宣教に同行し、その中で弟子と呼ばれる存在になっていたのかも知れません。いずれにしても、彼女が男性の弟子たちに匹敵する働きをしていたのは確かなのではないかと私は思います。

 この驚くべき奇跡が行われたのは、ヤッファという町でした。そこにペトロという男性のイエスの弟子がやって来て、タビタという女性のイエスの弟子を生き返らせたのです。その後、ペトロは皮なめし職人のシモンという「罪人」の家に宿泊し、そこで幻を見て、そこから異邦人への伝道が開かれて行ったのです。

 「神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました(10:34)。」この思いにペトロが達することができた最初が、女性の弟子タビタを生き返らせたことでした。おそらく生き返ったタビタの証が、ヤッファの人々、またペトロの心を大きく揺さぶったのだと思います。

 ここにいます私たちも皆、イエスの弟子です。イエスの弟子は性別や、出自・職業や、国籍等を越えた、聖なる者です。2024年後半も、信仰を熱くして、一人ひとり、イエスの弟子としての歩みを前に進めて行きたいと思います。

 

   2024年6月30日 聖霊降臨節第7主日礼拝 笹井健匡牧師


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