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「イエスの証人となる」 使徒言行録1章3~14節

 イエスは弟子たちに「父の約束されたものを待ちなさい。」と言われました。ヨエル書3章1節には「わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。」と記されています。旧約の時代から神さまは、人々に霊を注ぎ、授けるということを約束してくださっていたのです。イエスご自身もヨハネによる福音書14章で聖霊を与える約束をしておられます。この「約束されたもの」、「聖霊」を待つようにとイエスは弟子たちに告げるのです。

 しかし、弟子たちにはイエスの言われることがわかりませんでした。弟子たちはそのような時が来たら、自分たちは然るべき地位につくことができると思っていたのかもしれません。しかし、そのような人の思いを越えて、さらに大きな出来事が起きるとイエスは言われました。「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤ、サマリアの全土まで、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(8節)聖霊が弟子たちの上に降る時が来る、そうすると、今まで予想すらできなかった力を受けるのだ、と言われるのです。弟子たちは聖霊を受けることによって、イエスの証人として、地の果てまでも行き、福音を宣べ伝えることができるようになるのです。

 聖霊が地上に降る時が来るという約束を弟子たちは与えられました。それは十二弟子だけではなく、イエスに従った女性の弟子たちイエスの母マリア、兄弟たちにも与えられた約束でした。弟子たちは聖霊が降るのを「祈って待った」のです。いつ聖霊が降るかわからないけれども、弟子たちは心を一つにして熱心に祈って、その時を待ったのです。そして、イエスの昇天から10日後に聖霊降臨の出来事が起き、霊を受けて、弟子たちはイエスの証人となることができたのです。

 私たちは、使徒言行録に記されている弟子たちの姿に倣う者でありたいと思います。教会は今も聖霊が働き、教会に集う者はイエスの証人として、証ししていかなければならない存在であると思います。私たちの教会は少数の群れです。しかし、イエスはこの教会の中にもいてくださるのです。そして、私たちを慰め、励まし、導いてくださいます。聖霊の導きによって、イエスの存在を私たちは知り、感じることができるのです。この世的には恵まれていないように思える教会にも、神の約束は与えられています。私たちは、イエスから大きな愛をいただき、聖霊の働きを受けているのですから、今度は自分がイエスの証人となって、この世で生きていかなければならないのではないかと思わされます。

 小さな業からでもかまわないので、イエスの証人として生きだす者でありたいと思います。個々人が、そして教会が、イエスの証人となることができるよう、祈る者でありたいと思います。

  2024年7月28日 聖霊降臨節第11主日 平島禎子牧師


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