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「一期一会」 ルカによる福音書17章11~19節

 2024年の後半の歩みが始まりました。連日大変熱い日々が続いていますが、神さまに守られ、この時を過ごして行きたいと思います。

 今日の聖書は、ルカの非ユダヤ人への思いが究極的に表れている個所だと考えられます。イエスさまは、エルサレムへの途中、つまり最後を遂げられようとしておられるときに、大切なメッセージ性のある業をなされました。

 10人の重い皮膚病の人を癒されます。そしてその10人が祭司のところへ行く途中に「癒し」が起こります。その中の一人は、方向転換し、大声で神を賛美しながら、イエスのところへ戻って来て、ひれ伏して感謝しました。後の9人は戻って来ませんでした。

 おそらくルカは、福音が宣教されても、そしてそれにともなって神の業がなされたとしても、ある意味そのことが「当たり前」になってしまっているユダヤ人たちではなく、驚くべき感謝な出来事だと受け止めることができるサマリア人、異邦人こそ、イエスの福音を受け入れ、信じる者となるということを、福音書で、また使徒言行録で描いたのだと思います。

 しかしその前に、このところに記されている事柄はより深い内容のものを感じさせます。それはある村に9人のユダヤ人と1人のサマリア人の重い皮膚病の人がいたということです。べタニアのような村だったのでしょうか。あるいはサマリアとガリラヤの境界に、重い皮膚病の人たちが暮らす地域が設けられていたのでしょうか。両者はどのような形で共生していたのでしょうか。それともやはり、別々に居住していたのでしょうか。もしかしたら、この重い皮膚病共同体の中にあっても、サマリア人は差別されていたのでしょうか。そうかも知れません。厳しい状況の中にあっても、さらに一番厳しい日々を送っていたこの一人のサマリア人だけが、病の癒しに留まらず、イエスさまへの信仰を持つことができたのではないでしょうか。まさに一期一会の出会いとなりました。真の救いを得たことが「あなたの信仰があなたを救った」の言葉から分かります。

 今日は七夕です。年に一回だけ、織姫と彦星が会える日です。人生の中で、いろいろな出会いを経験しますが、イエスさまとの出会いは一生に一回だけであり、それを逃すと、なかなか再び出会うのは難しいことを、今日の聖書から思わせられます。このサマリア人のように間髪を入れず、イエスさまのところに戻る歩みを、日々信仰者として続けていく者でありたいと思います。

 

   2024年7月7日 聖霊降臨節第8主日礼拝 笹井健匡牧師


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