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「希望を語る」 使徒言行録2章14~21節

 ペンテコステおめでとうございます。今では私たちは、聖霊降臨によって教会が誕生したことを当たり前のように祝っています。しかし、約2千年前、最初の教会の誕生日は、本当にあり得ない出来事でした。その様子を使徒言行録2章はよく伝えてくれています。

 今日の聖書は、驚き、とまどい、またはあざける人々に対してペトロが語った最初の言葉です。ペトロは、聖霊に満たされ、ヨエル書の預言が実現した、と語りました。

 預言者ヨエルに関しては、諸説ありますが、私は最後の預言者だと考えています。そしてそれから洗礼者ヨハネが登場するまでには、数百年の年月が経っていたと思われます。つまり、ヨエルが預言した「その後」(ヨエル3:1)は「終わりの時」と捉えられ、イスラエルの民はその時を待望するようになりますが、待てど暮らせど、なかなかその時が訪れなかったのです。

 ヨエル書においては、イスラエルの民はイナゴの害に苦しみ、絶望の淵にありましたが、神に立ち返ることによって救われ、そして最終的には神の霊がすべての人に注がれ、終末が到来するということが預言されています。

 しかし数百年待たされる中で、人々は疲弊し、絶望し、つぶやき、ぼやいていたかも知れません。そこにイエス・キリストが登場し、神の国の福音を語りました。最初の弟子となり、十字架と復活を通して、そのイエス・キリストを信じたペトロが聖霊を受けて、「僕」、「はしため」を含めて、すべての人が預言すると言ったのです。

 それまで自分たちが置かれている現状に絶望し、なげやりになり、また過去の栄光ばかり語っていた人々が、神の言葉を預かるようになる、つまり、未来への希望を語るようになるというのです。

 現代も具体的状況は違いますが、ある意味で、絶望的になり、あきらめ気味になり、過去に生きているような、同じようなものがあるかも知れません。そんな私たちのところに、神さまは今年も聖霊を降臨させられます。

 聖霊をいただき、聖霊に満たされ、そして自らのうちから聖霊があふれ出ていくような歩みをなしたいものです。そのために、いよいよ祈りを熱くし、互いに支えあいながら、そして未来への希望を語りながら信仰の道を歩んで行きたいと思います。

 

 2024年5月19日 ペンテコステ礼拝 笹井健匡牧師


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