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「生きる力」 ローマの信徒への手紙1章16~17節

説教題「生きる力」         ローマの信徒への手紙1章16~17節
 
 以前は感じなかった感情ですが、この「秋」という季節が妙にしっくりくるというか、自分自身の人生の時と一致しているように感じるからなのかどうか分かりませんが、不思議な親しみを感じます。数年前までは、まだまだ夏、という感覚で生きていましたが、さすがに今は夏は過ぎて、秋を生きているように素直に思えるようになりました。
 どのような秋にするのかは自分次第です。ただ、座して冬を待つ、というのではなく、まだ何かははっきりとは分かりませんが、何らかの実りの秋になったらいいなあと思っています。それには秋には秋なりの生きる力が必要です。
 今日の聖書、ローマの信徒への手紙はパウロの「秋」に書かれた手紙だと言えると思います。復活の主と出会い、多くの宣教の働きを通して様々な経験をし、困難を乗り越えて生き抜いて来た一人の宣教者の神への信仰にあふれています。
 パウロは自らが伝えている福音を恥としない、とまず言います。そしてそれどころか、福音は神の力だと言うのです。信仰者にとって、信じる者にとって福音はこの上ない宝物なのです。そしてその宝を人々に伝えているのがパウロたち、伝道者なのです。
 最後に、パウロはハバクク書を引用します。ハバクク書2章4節では、傲慢な者を批判した後に、「神に従う人」は信仰によって生きる、と記しています。これをパウロは「正しい者」と言っています。つまり正しい者とは、神を信じ、神に従って生きる者であり、そういう人は、その人生を神への信仰によって生き抜いて行くことをパウロは言いたかったのではないかと思います。この後いわゆる信仰義認について、いろいろと書かれていますが、一番言いたかったのは、今日の聖書にあるようにシンプルなことです。イエス・キリストを、つまり福音を信じて、その人生を生きるならば、そこに神の力が働き、豊かな人生を送ることができるということです。だから、福音は、神の力であり、生きる力そのものであると言えるのだと思います。
 コロナ禍にあり、またそれぞれに困難を抱えておられることと思いますが、私たちは最高の力、神の力を生きる力として与えられている信仰者です。これからも何があろうと福音を信じて信仰によって生きて行く者でありたいと思います。

  2020年10月18日 聖霊降臨節第21主日礼拝   笹井健匡牧師

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