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「開け!」 マルコによる福音書7章31~37節

 子供の頃大好きだった絵本に、「アリババと40人の盗賊」があります。中でも「開け、ゴマ!」と言う決め台詞は、いつもドキドキしながら聞いていたような記憶があります。自分でも、「開け」の後に何を言おうか、いろいろと考えた記憶があります。一言の呪文で、目の前の世界が開ける、ということに、子どもながらに、大きな興奮を覚えたように思います。また、何かのピンチに陥った時に、その状況を打開すべく、心の中で「開け、○○」と言っていました。現実はそんな簡単には行かないわけですが…。

 イエスさまは、耳が聞こえず舌の回らない人を癒す言葉として、「開け」を用いられました。「開け」というと、閉じていた目を開くイメージがあります。しかし、イエスさまは目の見えない人に対してではなく、耳が聞こえず舌の回らない人に対して使われました。

この人は、何かが閉じていたのだと思います。その結果として、耳と舌にしょうがいがあったのではないかと思います。

想像をたくましくすれば、幼い頃に何か強烈な体験をしたのかも知れません。「見ざる聞かざる言わざる」ではありませんが、耳にしたくないことを聞いてしまったために、聞くことをやめ、そしてその結果、うまく話すことも出来なくなったのではないかと思います。

イエスさまは、その心の傷をいやされたのではないかと思います。そのことで閉ざしてしまった心を再び開けられたのではないでしょうか。

イエスさまは、今も、私たちにも、「開け」と言われているように思います。そのイエスさまの言葉を受けて、私たち一人ひとりも、そして教会もさらに開かれて行き、この地域にある人々の憩いの場になればどんなにいいことでしょう。

自らの心の内にある悩みや傷を、イエスさまに打ち明け、そしてイエスさまから言葉をいただいて、真に癒された者として、新しく生きる者となって行きたいと思います。

 

2021年9月5日 聖霊降臨節第16主日礼拝 笹井健匡牧師


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