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「突風」  マルコによる福音書4章35~41節

 私たちの人生の中でも「突風」が吹くような出来事があることと思います。思いもしなかった挫折、突然起きた不幸、そういった事柄の中で、突風が私たちの中に吹き荒れるのではないかと思います。私たちもまた、「イエスさまは私たちの苦しみをわかってくれないのだろうか、傷つき、生命がとられるようなことになっても助けてくださらないのだろうか。」と思わず言いたくなるような経験をするかもしれません。そして、「神さまを信じているのになぜ助けてくれないのだ。」という不信感を持つようになるかもしれません。しかし、そのような不信感は、本当に神さまを、イエスさまを信じていない証拠なのです。この恐ろしい突風のような出来事をイエスさまは静めてくださる、必ず助けてくださる、という忍耐強い信仰を持つことが大事だと思います。そして、時が来れば、私たちの心の中に吹き溢れる突風をイエスさまは、「黙れ、静まれ。」と言ってくださり、真の平安を得ることができるのです。
 イエスさまは今日の聖書の最後のところで、「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」と言われています。弟子たちの不信感をとがめられたのです。何が起きようとも、イエスさまを信じ、イエスさまが一緒にいてくださるので何があっても大丈夫という信仰を持つと共に、何でもかんでもイエスさま頼みではなく、責任を持って自分なりの最善を尽くすことも大事であろうと思います。
 WCCと呼ばれている「世界教会協議会」のシンボルマークOIKUMENE(ギリシャ語で「人の住む世界」のこと)の文字と共に、十字架をマストに仕立てた小舟が嵐の中を漂う様を描いてます。WCCは、第二次世界大戦後、暗く不安な嵐の海に船出する世界教会が、世界の人々に多様な働きをして仕えるようにと、このシンボルマークを1945年に行なわれた第一回総会において採択しました。
 私たちは、共に社会という海へ漕ぎ出している教会という舟に乗っている仲間です。私たちの舟は突風が吹けば、すぐに飛ばされ転覆するような小さな舟に思えるかもしれません。しかし、この教会という舟にはイエスさまもまた一緒に乗って下さっているので、何が起きても大丈夫なのです。そのことを覚えて、勇気をもって
海へと漕ぎ出していく者でありたいと思います。

wcc          
World Council of Church  

2018年8月12日 聖霊降臨節第13主日 平島禎子牧師

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