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「少数者たちの希望」 マタイによる福音書18章19~20節

「少数者たちの希望」 マタイによる福音書18章19~20節

 「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」とイエスは言われています。キリスト教信仰は個人の信仰ももちろん大切ですが、それと同じく、共同体の信仰であることを求められます。教会が健全に成長していくための基本は、二人からでもいい、複数の人たちが「イエスの名」によって教会に集まり心を一つにすること、そして共に祈ることが大切なのではないかと思います。そうすることなしでは、イエス不在の教会という奇妙な共同体ができてしまう危険性があります。
 少数の者たちが心を一つにして「イエスの名」によって集まり、祈るならば、その祈りは必ず神さまに聞き入れられます。すぐにではなくても、いつか必ずかなえられるのです。礼拝では一人一人が祈ることがありません。心の中の祈りというものを大切にし、一つの群れとして一つの心をもって礼拝に臨むことが大切であろうと思います。
 少数者たちは決してあきらめてはいけません。これはキリスト教会のみならず、社会をよくしていこうという少数者たちにもあてはまることではないかと思います。沖縄で起きていること、沖縄の北部、やんばる 東村 高江では、米軍のヘリパッド建設への反対運動が行なわれています。一般のマスメディアはそのことをほとんど知らせていません。自然が豊かなやんばるの森で静かな生活をしたいと願っている住民の思いを踏みにじり、ヘリパッド建設工事が強行されています。また辺野古の新基地建設という問題もあります。また、今の自民党の在り方、安倍首相の在り方に反対する人たちもいます。私も沖縄で起きていることに心を寄せ、今の安倍政権に否をつきつける思いを持っています。しかし、社会問題、政治問題、差別問題について取り組んでいる人は日本全体から見ると少数者たちです。しかし、少数でもあきらめずに闘い続けている人たちです。これらの人たちは希望を捨てずにがんばっておられるのだろうと思います。
 少数者であることを嘆かず、また居直らず、少数の者たちを顧みられる神を信じて、教会という信仰共同体が心を一つにして、多くの人に福音がもたらされるように、生きづらい人たち、困った人たちが教会で安息を得ることができるように祈ることが大切であろうと思います。また、それに加えて現在の日本の在り方が正されるようにと祈らなければならないと思います。少数者たちであるからこそ、「少数者たちの希望」というものがあります。その希望に向って、心を一つにし、祈りを合わせる教会でありたいと思います。

2016年10月16日 聖霊降臨節第23主日 平島禎子牧師

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